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語り場

ネタバレなものや140字で語りきれないものを不定期に吐き出す場所です。 出来た小説について語ったりもする。
2024
11,23

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2010
02,06

英語初心者向けの学習教材で四十男の渋みと哀愁のある背中を表現するのには無理がある!
だって悲しみの表現がsadしかないんだもの! こりゃ無理だ。

チクショウ! 脳内補完して読むんだった!

こんばんは、今日マラソン大会なのに見事すっ転んで軽く足を挫いたっぽい暮兎です。
今日は走りたいような、でも走りたくないような。
でも、どちらにしても雪が降って欲しいのは確かです。
だって、休日の午後がつぶれるのって一番嫌じゃないですか。
雪が降ればつぶれるんですよ! 今からでいい、降ってくれ!

ブログのほうの拍手、ありがとうございます。
ですが、初めに気付いたときには本当にびびりました。
だって、皆さん反応するのがエロ度判定って……(笑) 
流石の食いつきっぷりですね。しばらく笑いが止まりませんでした。
その一クリックを明日への活力として頑張ります。

さて、本日は拍手SSを更新ましたが、実はその他にも本日は書き上げたSSを抱えてまして。
それが、なんとなく衝動で適当にぐだぐだと文章を連ねたものであり、なおかつ一応幻水なのですがなんだか結局何を書きたいのかよくわからないような微妙な感じに仕上がったのでサイトに上げるかどうか判断に苦しんでいる様な代物なのです。
だからといって放置しておくのもなんだかなので、追記に載せておこうと思います。
うん、どんなに駄作でもとりあえず書き上げたんだもんね。
というわけで、スペースの問題と暮兎のバイタリティの問題で拍手SSについての恒例の語りコーナーは本日は行いません。
またいつか、気が向いたらやります。

では、早く寝ないとまずいので今日はこの辺で。
皆様、よい夢を。

拍手[0回]


数多の星々が燃えるように輝いている。
黒い布の上に金砂をばらまいたように、美しい光は闇を切り裂いて。
空に浮かぶ銀河のように闇が白くけぶるまで集まっては、誰も見通せない暗い空を自らの頼りない光で照らそうとする。
その光は、いつか失われるものだからこそ美しく。
儚いぐらい脆いものだからこそ鮮烈に光を発し。
闇は、音もなくその光を呑み込んでいく。


羊水に包まれて眠る胎児のようにどろりとした深い闇に包まれてうとうととまどろんでいた彼は、夢うつつのまま星の明滅の様をぼんやりと感じていた。
瞳を開くことはなく、永遠とも一瞬とも思える時にたゆたったまま。
彼にとって、時という概念はすでに意味をなさないもの。肌をなぜる風のように、傍らをそれとなく通過していくもの。
いずれ朽ちていく者たちの輪廻から外れたその魂は底知れぬ闇に囚われて――もう、どれだけそうたゆたっていたかわからない。
世界で一瞬の光芒が輝いて消えている傍らで、闇に与えられた圧倒的な安寧に心をゆだねてさらに深みへ沈んでいく。
殿のように、深淵へ、長い時間をかけて。凪いだ時間は、少しずつ生まれてから今まで培ったものを削り取っていった。
段々と稀薄になっていく自我。それを自覚する頻度もまた減っていき、もう自分自身が闇に囚われたときのままなのかもわからない。
全てが失われる刻を待ちながら、大切に抱き締めた美しい思い出と共に、眠るように消えていくだけ。
宿主として付き合っていた頃は常に甘えを許さず、どん底に突き落とそうと付け狙っていた死神も、一旦存在をその内部に置いてしまえば案外優しいものだ。
自ら動き回って喜びを知ることはできなくとも、新たな悲しみを覚えることもない。
砂が風にさらわれるように、魂が無に帰していくだけだ。
針の山を歩くような永遠に続く生の苦痛からも解放された。

急に瞼の裏を刺す光がある。
血のように赤く、それでいてどこか暖かい、強い輝きを持った光。どこかで見たことのある光だった。けだるさにあらがって瞼を開けると、視界にまばゆいばかりの光の渦が飛び込んできた。
脈動するように呼応して瞬く星々。それが人の生の輝きだと識ったのはいつのことだったろうか。
かつては彼も、その輝きを持っていた。きっと自分は凶星で、その輝きは美しさとはかけ離れたものだっただろうとは思う。
だが、かつては彼も確かに地上を彷徨う小さな星の一つだった。
無意味にも思える有限の生をがむしゃらに生き抜いて。はっとするほどに儚く、脆く、強い。
魂とはそんな存在だからこそ、この死神は人の魂を愛し、それを至上の美食とするのだろう。
取り込まれて、なんとなく理解できるようになった。

闇が奇妙に騒めいている。かすかな震えが伝える感情は、まぎれもなく歓喜だ。飢えを癒すため、極上の獲物を見つけたような、そんな歓喜。
死神の意識に自分の意識を重ね合わせると、幾千幾万とも知らぬ輝きの中でも一際輝く百余りの星が一つ所に集い、ぐるぐると渦巻いている場所を見つけた。それだけでも息を呑むほど美しいが、さらにその中心に思わず目が離せなくなるような鮮やかに煌めく赤い星があった。

人を魅了する光を放つその星は、天魁という名だと誰かが云った。
さながら誘蛾灯のように、時折煌めきを垣間見せてそこに在るだけで星は自然とその光のもとに集っていく。
その光を以前から知っていたような気がした。それ自身ではないが、とてもよく似たものを。
いつ、どこで――そう自分自身に問い掛けて、人の世の運命を俯瞰する立場になった彼は唐突に理解した。もうどれほど昔になるかはわからないが、まだ彼が人の身であったとき、彼もまたその際立った輝きに確かに出会っていたということを。

心の奥にしまい込んで厳重に鍵をかけた原風景、燃え盛る故郷での記憶が初めての邂逅だっだろうか。
今思えば、自分は一生をその強い輝きを追い掛けて生きてきた気がする。
焦がれて、憧れて、でも決して彼らのようには生きられなくて。
けれど、瞬きのような間の交錯でも、彼らとの出会いはかけがえないものをもたらしてくれた。

南の海で出会った天魁の星は果てしのない停滞の檻からの解放を。

北の大地で出会った天魁の星は暖かくて優しい思い出を。

遥かに遠ざかった出来事としか思い出せなくとも、大切な記憶だった。
この上もなく不様な人生を送ってきた自分にとっては、彼らに出会えたことは身に過ぎたぐらいの幸運だった。
混濁した不鮮明な記憶の中から泡のように急速に浮かび上がってきた色鮮やかな光景を懐かしさと共に噛み締めながら、彼は再びゆるりと脈動する赤い星を見つめる。

闇の歓喜の源泉は、恐らくあの光だろう。
美食家の死神にとって美しく輝く星は甘美な果実。喉から手が出るほど欲する久々の大ご馳走だ。
すぐにも頭から食らい付いて飲み込んでしまいたいに違いない。だがな。

海のような青い瞳。
太陽のような笑顔。
いのちそのもののような、力強い輝き。

断片的な記憶を思い出して笑う。
ソウルイーター、お前はきっとあの光は食らえないだろうよ。
彼方の見知らぬ赤い星、その輝きはいつか自分を救った大切な光に似て。
どんな絶望にも負けず、どんな運命にも果敢に挑む、魁の星に守護された魂。
いくらお前が貪欲で深い闇でそれを絡めとろうとしても、そいつはお前の手に余る。

美しい光に手を伸ばした。しかし果てしなく遠い世界に存在する光に触れることは叶わず、指先は空を切る。
判っていたはずなのに無駄な行為をしてしまう自分に心の中だけで苦笑して、彼はひたと赤い光を見据える。
きっと、あの光とすでに失われた存在である自分の運命というヤツが交わることは永久にないだろう。
世界は隔てられてしまった。今の彼は、生の世界に干渉できるような存在ではない。
だから、せめて祈ろう。

天魁の星は業の星。
これからあの光にはどんな困難や悲しみが待っているだろう。
だが、きっとそれは乗り越える。その強さがあるからこそ、あの星はここまで力強く輝くのだから。
だから、頑張れよ。心が折れそうになったとしても、決して負けるな。
目の前の赤い光に、かつて出会った彼らの面影を重ねて、声帯を失った意識はそれでも祝福を紡ぐ。


どうか、お前たちの行く末に幸あらんことを――


絞り粕のように僅かに残った意志で口元をほころばせて、再び彼は眠りのなかに落ちていった。


◆◇◇

とにかく私は、彼が書きたかったんでしょう。
誰が何と言おうと、それだけは確かです。
 

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暮兎とは同一人物です。
RPG・読書・海・鉱物・マグリット・児童文学などが好き。
幻水は親友とオベル一家を特にプッシュしてるが実質世界ごと好き。マイナーキャラが取り上げられていると喜ぶ。
APHにも最近どっぷりとはまった。北伊領。主に初恋からの芋とかが絡んでくる流れが好き。 
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