2010 |
05,09 |
よしこれで通常運営に移れるぞなんて思ってたらそんなことはなかったですね!
出来れば一週間に1回更新を目指したいのですが、そんなのは夢のまた夢か・・・…
すみません、SCCで応援してもらっちゃったのに!
ともかくその場しのぎとして一編超SSを追記にのせときます。
前回予告した奴です。何故こんな遅れたかというと、あの、ポメラのコード、今日見つかったんだ……
あうう・・・…今度こそなくさないようにしないと。
拍手、本当に嬉しいです。しかもちょっと倒れててネットにつなげなかったときにもらえてたっていうのにさらにほっこりしました! 偶然だろうとは思いますがw
明日から普通に復帰する予定。
リアルの方でも色々書こうと思ってるので、これからも忙しいなぁ!
数年ぶりにふらりと戸口に現れた英雄は、挨拶もそこそこに裁縫道具を貸してくれと頼んだ。
ちくり、ちくりと針が尾を引いて枯葉色の海を進む。旅に荒れた手が紡ぐ繊細な指使いを視界の片隅で追いながら、トキワは布地に目を落とす英雄をじっと見つめていた。
「もしよければ僕が代わりにやってもいいかな・・・・・・なんて思ってたんですけど、その心配は無用だったみたいですね」
「気持ちだけ受け取っておくよ。ありがとう」
「それにしても綺麗な縫い目ですね」
「一応、繕いものだけはもう何年もやっているから」
「意外です。ソウハさんって家庭的なこと一切できない印象あったのに」
「これだけは旅先でもたまに必要になるからね。僕、よく服とか破いちゃうんだよ」
なるほど、と思うと同時に新たな疑問が湧く。
「でも、料理はできないじゃないですか」
「料理は味はともかく食べられるかどうかだと思ってるから進歩しないんだろうな。勿論、美味しいものは好きだけど」
ものぐさだなぁ、と少々呆れ気味に思うと、英雄はちょっと困ったような顔になって弁明を始めた。
「ほら、服って手入れしないとすぐ駄目になってしまうだろう? それに料理はその場かぎりだけど、裁縫は上手くいかないとずっとその跡が残ってしまうから、下手なままでいると自分が許せなくて」
そう言いながら、英雄は針の先で布地の一点を指す。トキワがのぞき込むと、そこには裾から一直線に不揃いの縫い目が並んでいた。糸の色あせ具合から見るに、かなり前に縫ったものなのだろう。
「これが、練習始めた当時。これでもかなり苦労して縫ったんだよ。針を指に刺して血が出ちゃったりとか」
「へー」
今のソウハの手つきとかつてのソウハのたどたどしい努力の痕跡が結びつかず、トキワは二つを交互に見比べた。すると、ソウハは照れくさげにその縫い目を隠す。
「そんなにじっくり見られるようなものじゃないよ」
「でも、成長がありありとわかりますから」
相当練習を積んだんだろうな、と考える。トキワがしみじみと言うと、ソウハはほのかに笑みを浮かべた。
「そりゃあ成長もするよ。いつまでも甘えていることはできないからさ」
その口調に、気をつけていないとそれとわからないほどだが微かにいつもと違う響きが含まれていた気がして、トキワははっとした。彼が裁縫を身につける前に、彼の着物を繕っていたのは彼の家人だった。だから、英雄は裁縫も家事も身につけずにさまよっていることができた――
英雄は黙々と繕いを終えると手慣れた動作で玉止めをし、糸を切る。
「できた」
そう言って彼が広げたのは、彼の体躯には少し大きいぐらいの、くたびれた枯れ葉色のマント。
満足げに笑みを浮かべる英雄の姿に言葉が詰まり、トキワは何も言えなかった。その場をごまかすように、お茶を淹れますとだけ言って台所に駆け込んだ。
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えっと、これ本当に一時間ぐらいで衝動書きしたので深くは読み込まないで欲しいんですが(笑)
王様2主はきっと、引退したあとはどこかに何個か庵でも持って隠れ住んでいるような気がするんですね。
2主は土と共に生きる人、というイメージがあります。
で、坊とか4とかは旅の人。彼らは逆にどこか一所にはとどまっていられないような気がします。
おそまつさまでした!
RPG・読書・海・鉱物・マグリット・児童文学などが好き。
幻水は親友とオベル一家を特にプッシュしてるが実質世界ごと好き。マイナーキャラが取り上げられていると喜ぶ。
APHにも最近どっぷりとはまった。北伊領。主に初恋からの芋とかが絡んでくる流れが好き。